第59章 宮城の夜
ー和也sideー
俺達が会場に着いてから2時間後。
漸くリハーサルが始まった。
客席の後ろから指示を出す潤くん。
立ち位置や振りを確認し合いながら俺達4人はリハーサルを進めていった。
その中で。
俺達3人は翔さんと潤くんが気になって仕方無かった。
てっきり。
直ぐに仲直りして手を繋いで戻って来るもんだろうと思っていた。
戻って来た2人はスタッフの目には普通に見えただろう。
でも俺達には分かる。
2人の間に流れる殺伐とした雰囲気。
翔さんの泣き腫らした瞳。
潤くんも…翔さん程では無かったけれど赤く腫れていて。
翔さんに聞いても何も答えてくれなかった。
2人が気になる。
でもリハーサルに集中しなくちゃいけない。
潤「翔。そこもう少し端に出てくれる?」
翔「はい」
うつ向き気味の翔さんが言う通りに端に出る。
どうしたの2人共…。
何かがおかしい。
気にしているとさとしが隣に並ぶ。
智「おいらも気になるけど…今は集中しろ。でないと松潤にキレられるぞ」
「………うん。ごめんなさい」
さとしがポンと肩を叩いて元の位置に戻る。
集中しよう。
分かってる。
でも気になって仕方ない。
心配でたまらなかった。
翔さん…潤くん…。
お願い。
俺の憧れの2人に戻って…。