第59章 宮城の夜
会場に着くと…照明のトラブルが起きていてすぐにリハーサルは出来なかった。
大事には至らないから片付くまでホテルでの待機になった。
お茶でもしようかと話していた中、潤が「部屋で少し寝る」と離れていく。
追い掛けたいのを戸惑っていると…にのが背中を叩いた。
和「話しておいで」
「でも…」
智「あいつ拗ねてただけだって。おいらも少し話しておいたから大丈夫」
雅紀「松潤も翔ちゃんと仲直りしたいんだからさ。ちゅーでもしてやりなよ」
皆の励ましが嬉しかった。
「………うん…そうだね」
雅紀「頑張れ翔ちゃん!」
「うん」
皆に手を振りながら俺は潤を追い掛けた。
潤の乗ったエレベーターはもう既に最上階まで着いていた。
急いで追い掛けた俺は…そっと部屋に入る。
「潤…?」
潤はベッドの上で仰向けで目を閉じていた。
スマホとかけていたサングラスは無造作にテーブルに投げ捨てられたまま。
俺は静かに潤の隣に腰掛けた。
「………潤…俺の話…聞いて…」
潤「………」
「斗真との事は…勘違いさせる様な事してごめんなさい。でも…斗真はただの友達だよ。あの日の電話も…潤の事話してただけだから…お願い信じて」
そう話すと…ゆっくりと潤の目が開いた。