第59章 宮城の夜
ー翔sideー
飛行機を降りるとそのまま5人で車に乗り込む。
窓から見える景色には宮城の景色が広がっていた。
何年振りだろう…宮城の景色。
外を見ながら座席に座ると潤が俺の離れた場所に座る。
飛行機では…指定席だから隣に座るしかなかった。
いつもそれが当たり前だから。
でも会話もなく…潤はずっと眠っていた。
ホテルに行けば同じ部屋。
話したいのに…話せない。
しんどかった。
ため息を付きながら外を見てるとガラス窓ににのが映る。
和「ここいい?」
「あ…うん…でも智くんは…」
後ろに目をやると智くんは潤と話をしていた。
「ごめん…俺潤に言ってくる」
和「俺が智に言ったんだからいいの」
そのままドカッと隣に腰掛け、俺の肩にもたれた。
和「………どうしたの」
俺にしか聞こえない音量でにのが聞いてくる。
「………うん…」
和「喧嘩にしちゃ雰囲気おかしいよね」
「………」
和「翔さん」
「………どうしたらいいのか分かんない」
和「………」
「斗真とは友達だよ。俺は…それ以上でもそれ以下でもないのに…。それに斗真と真央ちゃんは…違う…俺は…斗真と付き合ってない。潤しか見てない…なのに…」
和「………そっか…」
にのの手が俺の手を握る。
和「大丈夫。潤くんは嫉妬してるだけだし…こじれてるだけ。ちゃんと仲直り出来るよ。だって夫婦だもん」
「………うん。ありがと」
にのがニコッと笑ったから俺も笑った。
そうだよね。
俺達夫婦なんだから…。
また元通りに…。