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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第59章 宮城の夜


ー潤sideー


「じゃあそれで宜しくお願いします」


頭を下げた後、俺は会場を見渡しながら伸びをした。


漸く全ての構成も終わり、ライブ本番前にここに来るのは最後になる。


ハワイの時はあまり往復出来なかったから…今回は何度もここに足を運んだ。
やっぱり実際の会場を見ながら考えるのは違う。


前乗りして来た甲斐があったな。


「ふぅ…」


控え室に戻り、帰る準備をしながらスマホを取る。


ふと、最後に見た翔の顔が浮かんだ。


逢いたい気持ちと…まだわだかまってる気持ち。


今話して…冷静になれるのか。


そんな事を思いながらスマホの画面を見ると…真央からLINEが入っていた。


真央『お仕事お疲れ様。櫻井さんに借りてたハンカチ渡しました。遅くなってごめんね。あの時はありがとう』


真央のメールにほんの少し、心が和んだ。


『お疲れ様。翔から貰った。わざわざ返しに来なくてよかったのにありがとう』


そう返すと直ぐに既読が付く。


真央『暇だったから』


「ふふっ、嘘つけ…撮影佳境なのに」


『忙しい癖に。今日はもう終わり?』


真央『バレたか(笑)うん今家だよ。潤くんは?』


『宮城。今から帰る』


真央『コンサートの打ち合わせ?1人なの?』


『そう』


真央『そっか。お疲れ様』


『真央もお疲れ様』


それ以降返信は無かったから会場を出てマネージャーとタクシーに乗り込んだ。


話をしているとスマホが鳴る。
画面を見ると…真央からだった。


「もしもし」


真央『………潤くん?ごめん疲れてるのに』


「いいよ。どうした?」


真央『………あの…』


「………どうした?」


真央『………ううん。声が聞きたくて。それだけ』


「………そっ、か…」


真央『ごめんなさい。じゃあおやすみ』


「真…」


俺の返事を待たずに真央は通話を切ってしまった。
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