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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第58章 cleavage


ー翔sideー


………音がする…聞いた事のある…音…。


ゆっくりと目を開けるとそこは…寝室の天井で。
顔のすぐ横では虎鉄がべったりとくっついて眠っていた。


俺寝てたんだ…。


虎鉄を撫でながらぼんやりしているとまた音が鳴る。


ようやくそれがスマホの着信音だと分かった。


手を伸ばしてスマホを取ると虎鉄が寝返りを打ちながら目を覚ました。


「ごめんね虎鉄」


スマホの画面を見ると…『斗真』の文字。


「どうしたんだろ…」


タップして耳に当てる。


「もしもし…斗真?」


斗真『あ、翔くん…ごめん寝てた?』


「あ、ちょっと横になってた…ごめん」


斗真『ごめんね邪魔しちゃって』


「ううん…何かあった?」


斗真『いや…電話したかったんだけど仕事忙しくて。退院してから体調どうかなって』


「ありがとう。もう大丈夫だよ。仕事も少しずつやってるし…」


斗真『そっか。でもあまり無理するなよ』


「ありがとう斗真」


斗真『俺が言うのもおかしいけど…潤と一緒なら乗り越えられるからさ』


「………そうだね」


斗真『潤が何か言ってきたらいつでも言って?問答無用で俺がぶっ飛ばしてやるよ』


「ふふっ…馬鹿だなもう…」


明るい斗真の声につい笑ってしまう。


斗真『俺は…いつでも翔くんの味方だから』


「………うん、斗真…」


斗真『翔くんが潤の事愛してるのは十分分かってる。だよな』


「うん、好きだよ…」


斗真『いつも…笑ってて欲しいから。きっと赤ちゃんも出来る』


「………」


斗真『何か…ごめん変な話して。元気でいて欲しいって…そう伝えたくて。ゆっくりでいいから』


「ありがとう斗真」


斗真『じゃあまた。またたまに連絡していい?』


「もちろんだよ。仕事…頑張って」


斗真『ありがとう。じゃあね』


そう言って電話を切る。


「………」


斗真…心配してくれたんだ。
………ありがとう。


心の中で呟いきながら俺はベッドから身体を起こした。
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