第58章 cleavage
家事が一息付いた頃、俺はコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
暫く時間が経った頃、寝室から物音がする。
潤が起きてきた…。
時計を見ると午前11時。
ガチャッと
音を立てて扉が開く。
「………おはよう」
潤「おはよ」
チラリと目を合わせた後、潤はキッチンに移動してコーヒーメーカーからカップにコーヒーを注いだ。
「あ、あの…ご飯は…」
潤「大丈夫。お腹空いてない」
「………そう…あの…お昼はどうする?」
潤「うーん…」
そのまま潤は黙ってコーヒーを飲んだ。
「適当でいい。俺やりたい事あるから」
ようやくそう答えた後、潤はテーブルに座り、パソコンを立ち上げた。
静まり返った部屋に潤がキーボードを叩く音だけがする。
見つめるその背中が…俺を拒絶している様に感じた。
居たたまれなくなった俺は…リビングを出て寝室に入る。
虎鉄「みゃお」
ベッドの上で寝ていた虎鉄の隣に座る。
「虎鉄…一緒に寝てもいい?」
虎鉄と抱き合いながら布団に入ると潤の匂いがした。
「潤…」
目を閉じると…潤に抱き締められてる様な、そんな気がした。
潤の匂いに包まれ、安心したのか…そのまま俺はうつらうつらと微睡んでいった。