第58章 cleavage
「お帰りなさい」
潤「ただいま」
玄関で潤を迎えるとぎゅっとその腕に抱き締められる。
潤「疲れた…」
「お疲れ様」
潤「うん」
見つめ合い、そっと軽いキスをしてから並んでリビングに歩く。
「宮城はどうだった?」
潤「やっぱ野外は凄いな…キャパはドームと変わらないのに広く感じる」
「そうなんだ…楽しみだな」
潤「はいお土産。翔の希望のやつあったよ」
「ほんと?ありがとう!」
潤から受け取った包みを開けると頼んでいた有名なロールケーキとずんだを使ったおもちのおやつ。
「美味しそう…はは何これ面白い」
潤「牛タンはいいって言ってたから気持ちだけでもと思ってさ」
手にしたのは仙台限定のお菓子・牛タンプリッツ。
大好きな牛タンは妊活の為に暫くお酒を控えてるから我慢した。
「そう言えば福岡にあった明太子プリッツ…あれ美味しかったもんね」
潤「あー…旨かった。後あれ。何だっけ」
「博多通りもん」
潤「それそれ!めっちゃ旨かった」
「ふふっ。明日太陽と食べるね」
冷蔵庫に片付けた後、潤の方を向く。
「お腹空いてない?大丈夫?」
潤「平気。疲れたからゆっくりしたいな…明日も早いし」
潤が上着を脱いでラックに掛ける。
ゆっくりとその背中に近付いた。
潤「明日も遅いかも。セットリストもう一度組み直して…照明関係でちょっとさ…」
言葉を遮る様に背中に抱き着いた。
潤「………どうした?」
「………今日…排卵日…」
潤「………そっか…そう言ってたな」
振り返り、潤に正面から抱き締められる。
「ごめん疲れてるのに」
潤「いいよ。赤ちゃん…作ろう」
ゆっくりと潤の唇が重なった。