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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第58章 cleavage


ー翔sideー


「げほっげほっ…うっぷ…」


込み上げてくる吐き気。
暫く咳き込んだ後、顔を洗い、洗面台の鏡を見つめる。


「………酷い顔…」


ポツリと呟くと…ちょっと笑ってしまった。


退院して数日。


予想通りに襲ってくる薬の副作用。


潤や太陽が居なくて良かった。
こんな顔見せられない…。


この調子で…仕事に復帰出来るのだろうか…。


でも…やんないといけない。
頑張らないと…治療を続けられない。


頑張るんだ…。
こんなの大した事ない…。


物音がして振り返ると…虎鉄が俺を見上げていた。


「虎鉄…」


虎鉄「みゃー」


スリスリと俺の足に擦り寄ってくる。


「虎鉄心配してくれたの?」


抱き抱えると虎鉄が俺の顔をペロペロと舐める。


「ははっ…ザラザラ…」


虎鉄「みゃう」


「ありがとね虎鉄」


虎鉄「みゃー」


「弟か妹が出来たら…虎鉄も面倒見てくれる?」


虎鉄「みゃっ」


「ふふっ、頼りにしてるよ。うちの次男坊」


そう言うと…虎鉄が笑った気がした。


「いい子だね。そうだ…この間新しいおやつ売ってたから食べる?」


虎鉄「みゃん」


「よし、行こう」


虎鉄のお陰で具合も少し良くなった気がした。
俺は虎鉄を抱っこしたままリビングに戻った。
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