第57章 友情と愛情
翔「………3人…」
「3人?」
翔くんは…池を泳ぐ鯉を見つめながら呟いた。
翔「結婚決まって…今のマンション…潤の家に引っ越した日ね…潤言ったんだ。3人欲しいって」
「………」
「1人で十分だってその時は思ったんだ。でも…太陽が産まれて…太陽と一緒に居る潤の顔…本当に嬉しそうで。パパになってくれた。それに…何度も俺に言ってくれたんだ。『産んでくれてありがとう』って…だから…また見たいんだ。赤ちゃん抱いてる潤の姿。小さな赤ちゃん抱いてる…潤の横顔…幸せなんだ…」
「翔くん…」
潤の事話す翔くんを見てると…いつの間にか自然な笑顔を湛えていた。
優しい優しい表情で…潤の事を考えていた。
翔くんにこんな顔させるなんて本当に…お前には勝てないよ潤…。
「でも翔くん…前に潤が言ってた。子供は…太陽1人だけでいいって。翔くんの身体が何より大切だからって…そう言ってた。だから無理しないで欲しいって思ってる。俺も…そう思う」
翔「ありがとう斗真。でもね…そんな潤だから…俺は頑張りたいって思うんだ。俺の事1番に考えて1番に愛してくれる…そんな潤だから…俺も頑張りたいんだ。頑張って…また産みたい。2人は無理かもしれないけど…後1人…赤ちゃんを抱きたい。潤に…赤ちゃんを抱いて欲しいんだ…」
「翔くん…」
翔「潤には言わないでね。恥ずかしいから」
そう言って笑う翔くんが健気で…俺は…やっぱりこの人の事が好きだって…そう思ってしまったんだ。