第56章 Struggle
ー潤sideー
「はぁっ、はぁ…」
太陽を抱え、走った。
全力で走った。
手術室の前には…項垂れたマネージャーがソファーに座っていた。
俺に気付くと立ち上がり、頭を下げた。
「翔…翔は!?」
翔マネ「そ、それが…今はまだ何とも…」
「………そんな…」
翔マネ「すみません!私が付いていながらこんな目に…」
「………」
翔マネ「少し様子が…おかしかったんで注意して見てたんです。まさか本番中に…倒れるなんて…」
「………」
本番中…翔はいきなり倒れた。
テレビを観ていても…様子がおかしいのは明らかで。
直ぐに俺のマネージャーを呼んで翔のマネージャーと連絡を取りながら太陽と病院へと向かった。
俺の手を握ったまま太陽は戸惑った様に俺とマネージャーの会話を聞いていた。
太陽「パパ…ママは?」
「ん?今…ちょっと疲れちゃったんだ。大丈夫だから」
太陽「ほんとに?」
「うん。起きたら太陽に会いたいって言うから待ってよう?」
太陽「うん…」
太陽の頭を撫でていると、電話で話しながら俺のマネージャーが小走りでやって来た。