第55章 険しい道の始まり
全ての検査を終え、着替えていると足音が近付いてくる。
看護師「松本さん」
「はい」
カーテンを開けると心配そうな表情の看護師さんが立っていた。
看護師「あの、ご主人が…奥様をお呼びで」
「何かあったんですか?」
看護師「それがあの…最後の精液採集が…上手くいかないみたいで…奥様を呼ばれていて」
「分かりました。ご迷惑お掛けしてすみません」
頭を下げて潤の居る部屋に向かった。
「潤?入るよ?」
ノックをして扉を開けると…潤が項垂れた様子で椅子に腰掛けてた。
「………どうしたの」
6畳程の部屋。
椅子とテーブル、マガジンラックが置かれたその中は…精液採集する為の…いわゆる1人えっちする為の部屋。
マガジンラックには沢山の…エロ本。
裸の女性や男性がズラリと並んでいた。
潤「翔」
「ふふっ。潤こういう人がタイプ?」
テーブルに広げられた雑誌には…綺麗な男性が裸で股を開いていた。
潤「………全然勃たねぇ…」
紙コップを持って俺を見つめる潤が…何故か可愛く思えた。