第53章 ハワイでのハネムーン
「じゃあなタイガー」
和「ありがとうございました」
タイガー「Bye now」
ワイキキまでタイガーに送って貰い、そこで別れた。
タイガーの車を見送ってるとかずがおいらの手を握る。
「ホテル…戻る?」
するとかずは…静かに手を振った。
「どっか行きたい?」
和「今日…別のホテル予約したんだ」
「え?」
和「そこに…泊まりたい」
珍しいな…泊まりたいホテルがあるなんて。
「いいよ。何処?」
「うん」
手を繋いで歩き出す。
5分程歩いただろうか…あるホテルの前においら達は辿り着いた。
「え…ここ…」
和「………覚えてる?」
「忘れる訳ねぇだろ。おいら達…ここで…」
和「………うん…」
目の前に建つホテルは…おいらが忘れもしないホテル。
そこは…15年前のあの日…初めてかずを抱いたホテルだった。
和「あの日は…弾みだった。あの日だけだって思ったけど…あれから15年経って…俺達…こういう風になって…。だから…また…あの部屋で…今の俺とさとしで…ここで一晩過ごしたい」
「………同じ部屋取ったのか?」
和「うん…駄目?」
「駄目なもんか。すっげ嬉しい」
和「よかった…」
「行こうかず」
かずの手を引き、おいら達は懐かしいそのホテルへと入って行った。