第50章 結婚式に向けて
「あれ?」
スタジオを出た先に集まる人だかり。
見ると…その中心に居るのは…
「………かず…?」
監督やスタッフの人達に頭を下げながら談笑していた。
その中のスタッフが声を上げる。
「大野さんの奥様から差し入れ頂きましたー!」
お、大声で奥さん…!
見るとテーブルには色んな種類のサンドイッチが並べられている。
和「松重さん!」
かずがこちらに向かって駆け寄ってくる。
松重「二宮くん」
和「ご無沙汰してます」
松重「わざわざ差し入れとか…気使わんでよかったとに」
和「いえ。主人がお世話になってますので一度挨拶に来たかったんです。今日私の方が撮影終わりで…ここが長引いてると聞いたんで…」
松重「ありがとうね」
和「いえ」
松重「今から休憩やけん二宮くんも休んでいいったらいいが。遠慮せんでいいよ」
和「ありがとうございます」
松重「じゃあまた後で」
「はい」
松重さんは気を効かせてサンドイッチを持って何処かへ行ってしまった。
和「………お疲れ様」
ようやく、かずの視線がおいらを向いた。
「うん。差し入れありがとう」
和「ううん」
「………主人って…やっぱ照れるな」
和「まぁ…人前だし…」
「サンドイッチ食べよう?」
和「うん」
サンドイッチを掴み、かずの手を引いておいらは楽屋へと戻った。