第50章 結婚式に向けて
ー智sideー
監督「はい、カット!」
AD「じゃあ少し休憩入りまーす」
「ふぅ~…」
セットの椅子に腰掛けて安堵の溜め息を付く。
共演の松重さんもおいらの隣の椅子に腰掛けた。
ちょっと強面でおいらより背が高い松重さんは近寄りがたいイメージがあったけど…共演してみると、気さくで、たまに九州弁で面白い事を言う楽しい人だった。
松重「大野くん大丈夫?」
「大丈夫です。松重さんは大丈夫ですか?」
松重「俺は大丈夫」
顔を合わせてにっこりと微笑み合う。
松重「夫婦一緒にドラマやってると大変やろ」
「そうですね。向こうは今日で終わりなんで一息付けるといいんですけど。子供達も寂しいだろうから」
松重「そっかぁ。子供3人もおるったいね。2人共童顔やき見えんよねー」
「ははっ、よく言われます」
松重「可愛いやろ子供。奥さん美人やけん」
「はい。凄く…」
松重「二宮くんも可愛いもんね。華奢やしねー」
「えっ!松重さんタイプですか!?」
松重「ははっ、誰も取ったりせんけん安心しぃ!」
ケラケラ笑いながらおいらの背中を叩く。
「驚かさんで下さいよ~…」
あ、おいらも方言移った…。