第49章 15周年の始まり
ー潤sideー
翔「うぅーん…」
翔の声がして振り返るとシーツにくるまった翔がゆっくりと伸びをしていた。
朝食を作っていた手を止めて翔の元へと歩く。
「おはよ」
翔「………はよ…いい匂い…」
「飯作ってた。ご飯と味噌汁と卵焼きと鮭焼いて…」
翔「ボリューミーだね…」
「腹減ったもん。沢山動いたからさ」
翔「本当だよ…腰痛い」
「後でシップ貼ろうな。ゆっくりしてていいよ」
翔「ありがと」
「シーツにくるまった翔色っぽいしな」
翔「ふふっ」
シーツのまま翔を抱き抱えるとソファーに座らせる。
その姿は本当に天使みたいだ…。
さっきこっそり写メしたのは内緒にしとこう…。
「ところで翔」
翔「ん?」
隣に座った俺は人指し指で自分の首筋をなぞる。
「これは…何かな?」
翔「あ…」
翔の顔が赤くなる。
翔「いやあの…それは…」
顔洗った時に気付いた。
首筋に付けられたふたつの大きなキスマーク。
堂々と見える位置に付けられたのは…初めてだった。
「俺が寝てる時に何してるのかな?奥さん」
翔「だって…」
恥ずかしそうにうつ向く翔の顔を覗き込んだ。
翔「寂しかったんだもん…潤が居なくて…」
「翔…」
翔の手が…ギュッと俺の手を繋いだ。