第49章 15周年の始まり
ー潤sideー
「ほら、もう寝なきゃ明日起きれないだろ」
太陽「やー」
「やーじゃないだろ?」
太陽「ママといっしょにあそぶもん!」
「はぁ…頼むよもう…」
午後10時。
もう既に大人の時間。
なのに今日は我が息子は翔からなかなか離れない。
1週間振りの再会を楽しみたいのは太陽も俺も一緒で…。
そんな攻防戦を翔は楽しむ様に見ていた。
「何で言う事聞かないんだ。怒るぞ?」
太陽「やっ!パパいやっ!」
「ほら!ママから離れなさい!」
太陽「やーっ!」
引き離そうとしても太陽は翔にしがみついて離れない。
翔「分かった分かった。太陽、ママと一緒に寝よう?」
太陽「むー…」
翔「ね?」
翔が優しく抱き締めながら言い聞かせるとようやく太陽は落ち着いてくる。
やっぱり母の力はすげぇな…。
太陽「ママとねる…」
「いい子」
太陽の頭を撫でながら立ち上がる。
「待っててね」
そう言うと翔は寝室に行ってしまう。
俺はそのままソファーに横になった。
1人の空間になると途端に冷静になる。
疲れてるのは翔なのに…息子と取り合いして…。
何やってんだろーな…。
やっぱり今日は休ませて…。
パチン、とリビングの明かりが消え、驚いて起き上がると扉の前にシーツと枕を持った翔が立っていた。
「翔…?」
そのままスルスルと…翔が俺に近付いて来た。