第49章 15周年の始まり
翔『え!?結婚式!?』
「うん…そうなんだ」
翔『何でまた急に…』
電話口の翔さんは突然の報告に驚きを隠せないでいる感じだった。
「何でだろ…会話の流れで…何か…」
翔『急に思い立ったんじゃない?『そういやしてねぇな。やるか?』みたいな』
「そう。正にそんな感じだよ」
翔『智くんらしい』
「ごめん取材で忙しいのに」
翔『気にしないでよ。すぐ報告してくれて嬉しい』
電話口の翔さんの向こうは…ガヤガヤと沢山の人の声がしていた。
忙しいのは分かってたけど…翔さんの優しさに甘えずにはいられない。
我慢出来なかった。
「やった方がいいのかな…」
翔『最高じゃん。俺もにのの花嫁姿見たいな』
「そんなに可愛くないもん…」
翔『何言ってんのそんなに可愛いのに』
「もう…」
翔『皆思ってるよ。2人の結婚式見たいって。大丈夫』
「うん…」
翔『やろう結婚式。協力するからさ』
「翔さん…」
翔『あ、そろそろ行かなきゃ。帰ったらまた話そうね』
「うん。頑張ってね」
翔『うん。ありがとう。じゃあね』
そして電話は切れた。
「ふぅ…」
スマホをテーブルに置きソファーに横になる。
目の前に敷いた布団でスヤスヤと眠る和香が目に入る。
起き上がり、ゴロンと和香の隣に横になった。
「和香…どう思う?」
柔かい、ぷにぷにのほっぺを触った。
さとしの言う事に了承したけれど…俺はまだふんぎりが掴めないでいた。