第49章 15周年の始まり
潤のリップ音に心がキュンとなった。
潤『翔も…して?』
「え…」
潤『お願い』
「………ちゅっ」
潤『ありがと。可愛い』
「もう…電話切れなくなる…」
潤『切りたくないよ…』
「潤…」
潤『ん?』
「帰ったら…いっぱい抱き締めて?」
潤『もちろん。でも…抱き締めるだけでいいの?』
潤がクスッと笑う。
「もう意地悪…!」
潤『ふふっ。いっぱい愛し合おうな。春から忙しくなるから』
「うん…」
潤『………愛してるよ翔』
「愛してる…潤」
………どうしよう…潤が恋しい…。
優しい声で話すから…身体が…。
潤『………翔?』
「あの…潤の声が何か…」
潤『ん?』
「何か…艶っぽくて…駄目だよ…」
潤『………何が駄目なの…?』
「や…」
電話で話してるから…耳元で囁かれてる感じがする。
分かってるかの様な潤の声は…また一段と色気を増した。
潤『翔…』
「………」
潤『………したく、なった?』
「………言わない」
潤『したいくせに』
「ばぁか」
潤『………俺は…したいよ』
「え…」
潤『………しよっか』
電話の向こうから…甘い声と吐息がふぅと聴こえた。