第49章 15周年の始まり
ー翔sideー
「じゃあお疲れ様でした」
翔マネ「お疲れ様です。じゃあ明日8時に」
「はい」
日付を回った頃…俺はようやく取材を終えてホテルに戻って来た。
相変わらずのハードスケジュール…取材の嵐。
「ふぅ…」
そのままベッドに突っ伏した。
「潤…」
愛しい人の名前を呼んでみる。
逢いたいな…。
やっぱり俺は…潤が居ないと駄目だ…。
「潤…」
大好きな笑顔を思い浮かべながら俺は…次第にまどろんでいった。
「ん…」
時計を見ると…まだ5時。
外を観るとソチの街はまだ暗闇に包まれている。
「そのまま寝ちゃったんだ…」
日本との時差は…6時間。今日本は夜の11時。
………起きてるかな…。
潤の声が聞きたい。
俺はスマホを掴み、潤に電話を掛けた。
潤『もしもし?翔?』
愛しい人の声がする。
「潤…!」
潤『どうした?そっち確か…朝5時だろ』
「うん…何かあまり眠れなくて…」
潤『しんどいの?』
優しい潤の声に包み込まれた気分になる。
「平気。何か…潤が居ないと…寝つき悪くて…」
潤『そっか…』
「………太陽は寝た?」
潤『寝たよ。今さ…りーだーの家』
「え?泊まってるの?」
潤『うん。翔見送った後すぐににのから電話あってさ』
「そっか」
潤『翔』
「ん?」
ちゅっ、とリップ音が向こうから聞こえた。