第7章 想いの交差
潤が真っ直ぐ父さんを見つめる。
ゆっくりと息を吸うと、口を開いた。
潤「………正直、分かりません」
「………」
潤「簡単に…出来るとは言えないです。でも…」
翔父「………」
潤「でも…人生の最期に…翔さんが俺を選んで良かったって…幸せだったって思える様に…全身全霊で愛する事は…出来ます。俺は翔さんがこの世の誰よりも…大切な人なんです。翔さんが居ないと…生きていけない。だから…お願いします…」
「………潤…」
胸の奥が熱くなる。
翔父「だったら…その決意を私に見せなさい」
潤「え…」
翔父「私が…人生の最期に…翔を君に嫁がせて良かったと…そう思える様に…これから見せてくれ。君達夫婦を。何年掛かっても…。私は2人を見てる。ずっとな」
潤「お義父さん…」
翔父「その代わり…翔を泣かせる様な事があれば…私は絶対に許さないぞ。その時は覚悟しなさい」
潤「は、はい!ありがとうございます!」
翔父「泣くな。もうすぐ父親になる人間が」
潤「す、すみません…ぐすっ…」
込み上げる涙を潤が腕で拭い、父さんが潤の肩を叩いた。
「そろそろ食事だな。後で飲もう。潤くん」
潤「はい…!是非!」
これは…認めてくれた?
俺は静かに扉を閉め、階段を下りた。
「父さん…ありがと」
そのまま俺はキッチンへと向かった。