第48章 最愛の家族
ー翔sideー
翔「ぶつぶつぶつ…」
寝室に入ると台詞を言いながら部屋をウロウロする翔。
俺は静かに眠っている太陽をベッドに寝かせた。
翔「ん…?潤?」
「あ、ごめん邪魔したな」
翔「ううん。太陽寝たの?」
「うん。翔あれだったらリビングに行ったら?俺ももう寝るし…1人のが集中出来るだろ?」
翔「でも…」
「大丈夫だからさ。役に集中したいだろ?」
翔「………うん…ごめんね」
「謝るなよ。翔だって俺が撮影中はそうしてくれてるだろ?夫婦なんだからお互い助け合っていこう?」
翔「潤…」
「ん?」
翔「ちょっとだけ…充電させて?」
「いいよおいで」
ベッドに腰掛け手を開くと翔が俺の膝に座り抱き着いてくる。
翔「………俺に上手くやれるかな…変人家庭教師なんて…」
「やれるよ。翔ならきっとやれる」
翔「でも…自信ない…」
うつ向く翔の柔らかい髪を撫でながらおでこにキスする。
「………執事の時もそう言ってた。ワインボトル開けながら台詞言うのに苦労したじゃん。でも出来た。翔の頑張りに結果も付いてきただろ?夏には映画にもなって…。支えてくれた人達も居るけど…何より翔が頑張ってるからこそだろ?今回も同じだよ。俺はそう思う」
翔「潤…」
「それにさ…これで翔の演技の幅…広がるよ。変人家庭教師なんて…ワクワクするな…」
そう言うと翔がようやく笑顔になる。
翔「ありがとう潤。俺…頑張るね」
「うん。応援してる」
そう言うと翔がそっと唇を重ねる。
翔「ふふっ。充電完了」
翔が立ち上がり台本を掴む。
翔「おやすみ潤」
「おやすみ」
手を振りながら翔は寝室を出て行った。