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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第48章 最愛の家族


ー潤sideー


「ただいまー」


玄関に入るとキッチンからいい匂いが漂ってくる。
すぐに夕飯はカレーだと分かった。


翔「お帰り潤。早かったね?ごめんちょっと手が…」


必死で鍋を混ぜながら何かを入れている翔の後ろ姿が目の前に広がる。


「いいよ気にしないで」


コートを脱ぎながら伸びをするとポケットに入れていた財布が転がり出てゴミ箱に入ってしまう。


「おっと…」


手を突っ込んで財布を取ると…一緒に違う物まで掴んでしまう。


「ん…?」


それは…使用済みの妊娠検査薬だった。


「………」


見ると…結果は陰性。
陽性であれば出る筈の赤い印は出てなかった。


翔は…俺に気付かれない様にと1人で調べたんだ…。
胸が苦しくなった。


子供なんて気にしてない。
太陽だけでいい。
本当だ。


でも翔の気持ちを思うと…。


俺は検査薬を捨て、キッチンへと入る。


翔「よし…こんな感じかな…」


笑顔で火を止め、鍋に蓋をする翔。
俺は静かに後ろからその身体を抱き締めた。


翔「びっくりした…どうしたの?」


「うん…背中見てたら…こうしたくなって」


翔「潤…」


「………愛してるよ」


翔「うん…」


「………太陽のお迎えは?」


翔「後…1時間位かな」


「じゃあ…時間まだいいよな」


翔「え?うわっ」


俺はそのまま翔を姫抱きする。


「しよ?」


翔「え?え?急にどうしたの」


「抱きたい…」


すると翔の顔が赤く染まる。


「今すっげー翔の事抱きたい。駄目?」


すると翔が俺の首に掴まり顔を埋めた。


翔「俺も…抱いて欲しかった…」


恥ずかしそうに呟く翔のおでこにキスしながら俺達は寝室へと入った。
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