第46章 母と呼ばれた日
「ふぅっ…ふぅ…」
医者「大野さんもう少しですよ!」
「はぁっ…はぁ…」
智香「お母さん…がんばって…」
「うん…頑張る…」
智香ちゃんが俺の手をぎゅっと握る。
智香ちゃんのその言葉で…俺は最後まで頑張る事が出来る。
医者「頭出てきましたよ!後人踏ん張り!」
「くっっ………はぁっ…あぁぁっっ!!!」
身体に力を込め、俺は声を上げて息んだ。
智香「お母さん!」
「あぁぁーっっ!!!」
医者「産まれましたよ!」
その言葉と同時に分娩室に赤ちゃんの泣き声が響いた。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
看護士「はいお母さん」
そして俺の胸にその子は抱かれた。
智香「赤ちゃん…私のいもうと…?」
「………そうだよ。智香ちゃんの妹」
智香「………」
智香ちゃんは嬉しそうに赤ちゃんを見続けていた。
「智香ちゃん…ありがとう着いててくれて…」
智香「お母さん…」
「っっ…もう…あんまり泣かさないで…」
無事に産まれた我が子と…初めて母と呼ばれた嬉しさで…俺の涙腺は崩壊していた。
智香「お母さん…おかーさん…!」
「智香ちゃん…」
俺は涙を流しながら2人の娘をいつまでもその腕に抱き締めた。