第46章 母と呼ばれた日
「すみません失礼します」
頭を下げて校長室に入る。
そこには校長先生と担任の小林先生。
智香ちゃんと向かい合わせに相手の女の子。
そして母親が座っていた。
校長「おー…これはこれは二宮さん。どうぞお座りになられて下さい」
「失礼します」
頭を下げて俺は智香ちゃんの隣に座る。
「智香ちゃん…大丈夫?痛くない?」
おでこに大きな絆創膏を貼られた智香ちゃんが静かに頷いた。
母親「全く…お宅はどういう教育してらっしゃるの?女の子の癖に手を出すなんて。うちの子に何かあったらどう責任を取るつもりですか!」
「すみません…」
智香「………」
母親「まぁ元々片親で苦労なされたのが今や芸能人の子供ですからねぇ…躾が甘いんでしょうけど」
「………」
母親「転校でも考えなさったらどうかしら?こんな公立小学校じゃ芸能人様のレベルにそぐわないでしょ?お稼ぎになられてるんだから私立にでも通わされたら?」
「………いえ…。こちらには仲のいいお友達も居ますから…自宅からも…近いですし…」
俺はギュッと拳を握り締めて耐えた。
母親「片親で育つと乱暴な子になるのかしら?そうだわ貴方も片親で育ったらしいわね?」
小林「○○さん!そんな言い方は…」
「………」
「貴方も大変ね。旦那の不貞で出来た血の繋がりの無い子供を育てるなんて…本当は知った事じゃないでしょうけどね」
その瞬間、俺の堪忍袋の尾が切れた。
「いい加減にして下さい!」
母親「まっ…!」
「怪我をさせた事は謝ります。本当に申し訳ありませんでした。でも…娘の事悪く言われて我慢出来る親はいません!」
母親「な、何?」
「この子は不貞で出来た子供なんかじゃない!確かに…血の繋がりはありません。けれど俺に取っては大切な俺の娘です!これ以上悪く言うのは許しません!」
校長室に俺の怒号が響いた。