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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第45章 心の傷


「こんにちは智香ちゃん。松本翔です」


智香「………大野…智香です」


「この子は太陽。智香ちゃん仲良くしてくれると嬉しいな」


太陽「こんにちはー」


智香「たいよう…くん」


太陽「よっちゅ!」


「ふふっ。宜しくね」


智香「うん」


人見知りしない太陽のお陰で初対面でも智香ちゃんは笑顔になれた。


智也「たぁーくん」


太陽「ともくーん」


智香ちゃんを入れた3人はリビングで楽しく遊び始めた。


「ごめんね急に遊びに来ちゃって」


和「気にしないで。家に居るばかりで暇だから」


にのがジュースを入れながら笑顔で答える。


にのの様子が気になってた俺は休日に太陽と一緒ににのの家へとやって来た。
大人しい子だとにのから聞かされてたから迷惑になるかなと思ったけど…俺には朗らかで良い子に見えた。


俺達はその様子を見ながら…ダイニングで談笑をした。


「上手くいってる?」


俺は子供達に聞こえないトーンでにのに話し掛けた。


和「………表向きはね」


「………表向き?」


和「………多分…俺あの子に嫌われてる」


「え…」


和「………無理もない。あの子の立場で考えると…父親と母親を引き裂いた人間だから」


「そんな…にのは引き裂いてなんか…」


和「子供に大人の複雑な事情は分からないよ。実際智香ちゃん…今笑って遊んでるけど…俺には向けてくれた事ない。それどころか…目も合わせてくれないから」


「………」


和「時間が掛かるのは覚悟してたけど…そこまで拒絶されると…たまに心も折れちゃって」


「………智くんには話したの?」


和「気を使わせたくない。それにこれは…俺と智香ちゃんとで乗り越えていかなきゃならない問題だと思うからさ」


「にの…」


和「良い子なんだよ?智也の面倒凄く見てくれるし…智也もなついてる。だからきっとさ…いつか向き合えるって信じてるよ」


そうにのは微笑んだけど…やっぱりその目は悲しそうで辛そうで。
時折切なそうに智香ちゃんを見つめていた。


にのの力になりたい。
でも…俺達に出来る事は…ないのかもしれない。
にのの言う通り…2人でないと乗り越えられないのかもしれない。


俺は…大切な親友を…ただ見守るしか出来ない自分に歯がゆさを感じていた。
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