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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第45章 心の傷


ー和也sideー


「本当に行くの?まだ家でゆっくりしててもいいんだよ?」


俺がそう言うと智香ちゃんは何も言わずに首を振る。


智「友達に会いたいんだって。智香が会いたいんならさ…気持ちも晴れるし」


「うん…じゃあお願いね」


智「うん。行って来ます」


「智香ちゃんいってらっしゃい」


智香「いってきます…」


そして智と智香ちゃんは家を出た。


智也「まんまー」


「ん?パパとお姉ちゃん行っちゃったね。ママと2人だよ」


智也「あー」


智也を抱っこして俺はリビングに戻った。


智也をリビングで遊ばせながら…俺はソファーに座り込んだ。
大きなお腹で子供抱えるのしんどくなってきたな…。
腰も痛くなってきたし…。


「ふぅ…いてて」


出産の日が近付くと共に…やっぱり俺の不安はどんどん大きくなっていってる。


智香ちゃん…今日も相変わらず俺とは顔を合わせてくれない。
まともに口を聞いてくれた事もない。


明らかに智は俺達の関係に気を使ってる。


やっぱり俺…智香ちゃんに嫌われてるんだろうな。
智香ちゃんからしてみれば俺は…母親から父親を奪った人だから。
俺のせいで…2人は一緒に居られなかったのだから。


仲良くなりたい。
せめて…普通に口が聞ける様になって欲しい。
叶わない願いかもしれないけど…。


「はぁ…」


ため息を付きながら腰を擦っているとそれに智也が気付く。


智也「まんま」


「ん?どうしたの」


すると智也が手を伸ばして俺の腰を撫で始めた。


智也「まんま…いたいいたい」


「………とも…」


智也「いたいいたい…」


「………ありがととも…」


息子の優しさに泣きそうになりながら…俺は智也をぎゅっと抱き締めた。
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