• テキストサイズ

君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第44章 亜香里の想いと和也の決意


智「かず…かずっ」


まるで尻尾を振った仔犬の様に俺に抱き着いてくるさとし。
でも凄く…嬉しい…。


きっと…本当の亜香里を知らないままでも…俺はさとしと離婚してなかっただろうな…。
だって結局…俺が離れられないんだから…。


するとさとしの手が俺のシャツに滑り込んで来る。


「さ、さとし…!」


智「いいじゃんかず」


「だ、駄目ってちょっ…」


首筋に吸い付かれ、痕を付けられる。


智「我慢出来ないから…」


「き、今日は駄目…」


そう言ってもさとしの手は止まらない。


「き、今日は亜香里さんの話しなきゃ!」


するとようやくさとしの手が止まった。


智「亜香里の…?」


「そうだよ。俺このままでいいのかなって…」


智「おいらも…そう思ってるよ」


さとしが起き上がり、俺の隣に腰掛ける。


智「出来るだけの事…したかったのにな。断られるなんて…」


「………治療する事になると…智香ちゃんと一緒に居られる時間も限られてくる…。それに…治療しても命が長引くだけ…それより智香ちゃんと一緒にいたい…」


亜香里さんの言葉を思い出す。


智「それならそれで…側に居れる方法…考えなきゃな…」


「うん」


智「きっとあるよ。亜香里の為に出来る事。考えるから」


俺は頷きながらさとしの胸に顔を埋めた。
/ 1278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp