第43章 divorce
ー和也sideー
「ん…よし出来た」
火を止め、出来立てのお粥を器に盛る。
梅干しと昆布を添えてトレーに並べた。
それを持って俺は寝室に向かう。
「智香ちゃん、入るね?」
そっと中に入ると智香ちゃんは横になったままこちらに顔を向けた。
「お粥作ったけど…食べる?」
智香「はい…」
もぞもぞと起き出す智香ちゃんを支えて膝の上にトレーを置いた。
智香「いただきます」
「どうぞ?」
手を合わせて智香ちゃんがスプーンでお箸を口に運ぶ。
「どう?」
智香「………おいしい…です…」
「………そっか。よかった」
智香「………」
そのまま何も言わずに智香ちゃんは静かにお粥を食べた。
「………インフルエンザかと思ったけど…風邪で良かったね」
食べながら静かに頷く。
「食べ終わったら病院のお薬飲もうね」
そしてまた頷いた。
本当に…大人しくて静かな子だな…。
それとも人見知りなのかな…。
それとも…俺の事…嫌ってる…?
だとしても…それは仕方ない事だよね…。
食べ終わった後も…嫌がらずに薬を飲み終え、そのまま横になった。
「俺ずっと居るから何かあったら呼んでね?」
智香「はい」
俺は器を下げて…智香ちゃんの部屋を出た。