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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第43章 divorce


さとしとの離婚を決めてから月日は過ぎ、俺達の激動の夏が過ぎ季節は秋になっていた。


他のメンバーはツアーの打ち合わせやらで忙しかったけど…妊娠の影響で参加しない俺はレギュラー番組の収録以外は休みで目立ち始めたお腹を抱えてゆっくりと穏やかな毎日を送っていた。
表向きは。





今日はレビュー番組の収録。
久し振りのテレビ局の楽屋。
正式には使ってない空き楽屋に俺は居た。
そして…


智「くっ…はぁっ…イくっ…」


「あっっ、あぁっっ…さとっ…!!」


中にさとしの熱を感じながら俺は果てた。


智「はぁっ…はぁ…」


「はぁっ…もう…仕事前は止めてよ…」


智「だって終わったらすぐ帰るじゃんか」


「じゃないとこうやって襲って来るからでしょうが」


智「かずだって誘いに乗ってるじゃねぇか」


「しつこいからだよ!もう…早く退いて…」


ぶつぶつ言いながらさとしが起き上がり、ズボンを履き直した。


「………いつまで続くんだよこの関係…」


あれからさとしとは…離婚届を出さないまま、話し合おうとする度に当たり前の様にセックスしている。


もう一緒には居られない。
そう思ったから…離婚を決めたのに。
俺達は何をしてるんだろう。


「さとし」


智「ん?」


「もう…慣れた?その…智香ちゃんとの…暮らしは…」


智「………智香との生活には慣れたよ」


「そっか…」


智「でもお前と智也の居ない生活には…慣れねぇよ…」


「………亜香里さんから連絡は?」


智「ないよ。智香を預けた日が最後だ。スマホも繋がらなくなってて…。全く…今何処に居るかも分からないんだよ」


「………」


本当に…何て人なんだろう。
1人で産んだ大切な娘を捨てた上に成り立つ幸せなんて…幸せじゃない…。


智「………智香は何も言わないんだ。知ってか知らずか…亜香里の事は口にしないから…大人しい子だよ」


「そっか…。困ったらいつでも協力はするよ。メンバーとしてなら」


智「メンバーとして、か…」


「そうでしょ。離婚するんだから」


智「こうして…寝ててもか…」


さとしの指先が俺の背中に触れる。


「そ、それとこれとは別だから…ほら、行くよ」


俺は立ち上がりさとしを置いて楽屋を後にした。
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