第42章 告白
夕食後、お風呂から上がり身体を拭いてると翔さんがノックして中に入って来る。
翔「これ着替え」
「あ、ありがと…」
翔「俺のだからちょっと大きいかな」
「ん。大丈夫」
翔さんからパジャマを受け取り、それに着替える。
翔「もう寝る?」
「うん。色々…考えないといけないから…」
翔「そうだね…」
「………答え…見つかるのかな…」
翔「………」
「………どうすれば…」
うつ向いていると翔さんが正面から俺を抱き締めてくれた。
翔「にの…にのは今俺じゃ想像出来ない苦しみを抱えてると思う。前も話したけど…出来る限り力になりたい。潤も同じ気持ちだよ。だから好きなだけここに居ていいって言った」
「うん…」
翔「でもそれは逃げる為じゃない。しっかり考えて…答え出す為だよ。事実は変えられない。だからこそこれからどうするか…答えはにのが出さなきゃ」
「翔さん…」
翔「時間掛かってもいい。にのが出した答えが例えどんな答えでも…誰も責めたりはしない。そんな奴居たら俺がそいつらから守るから。だから…にのはこれからどうするか…考えよう?お腹の子供の為にも…」
「………うん。ありがと翔さん」
翔「こんな事しか出来ないから…俺は」
「そんな事ない」
翔「俺はにのの味方だよ」
「ありがとう…」
翔さんの優しさで…俺はほんの少し、前を向く努力が出来る様になった。
考えよう。
最後に会った日…病室でさとしは言った。
『かずの答えに従う』
考えよう。
きっと何処かにある。
俺達の進むべき道が…。
探そう。