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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第42章 告白


ー翔sideー


シンと静まり返ったリビング。
俺が話を終わっても誰もが口を閉ざしたままだった。


潤「………あのさ…りーだー…」


ようやく隣に座る潤が口を開く。


智「うん…」


潤「りーだーの子供って…間違いないんだよな?」


智「………うん。間違いない」


潤「………何でさ…引き取ろうと思ったの。こんな事になるって分かってただろ」


智「………うん」


潤「………何でだよ。今にのがどんな思いでいるか。それに…妊娠してんだぞ?」


智「………分かってる」


潤「分かってるなら何で引き取るだなんて考えるんだよ!!」


バン、と潤が思いきりテーブルを叩く。


「潤落ち着いて」


潤「落ち着けねぇよ。責任取る覚悟は分かる。でもさ…引き取って育てるって…巻き込まれたにのと智也は…これから産まれてくる子供だって…」


智「………」


翔「智君…どうして?」


智「あいつは…亜香里は…おいらの事愛してくれてた。でもおいら…その気持ち知ってて振り回してた。都合のいい時に呼んで…抱いて…終わったら帰して…でも亜香里は何も言わなかった。文句のひとつも言わないでおいらに尽くしてくれた。だからおいらは付け上がって余計に振り回してた。そんなおいらの子供…産んでくれた。16で…。10年間1人で育ててくれた。その亜香里が…『幸せになりたい』って…言ったんだ。子供引き取る事で亜香里が幸せになるのなら…そうしようって思ったんだ。これでも悩んだよ。悩んで悩んで…決めたんだ」


雅紀「………にのと…別れる事になっても?」


智「別れたくない。別れるつもりない。でも…仕方ないとも…思ってる」


雅紀「仕方ないって…」


そしてリビングに戻る沈黙。


答えを見つけ出せないまま俺達はただ向かい合い見つめ合っていた。
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