第42章 告白
次に目を覚ましたのは…翌日の昼間だった。
目の前には…新聞に目を通す翔さんの姿。
俺が起きた事には気付かず真剣な眼差しで新聞を読んでいた。
相変わらず…翔さんは美人だな…と思う。
くりくりの目に綺麗な二重。
吸い付きたくなる様な唇。
翔さんは俺の方が美人だって言うけれど…俺はそんな事ないって思う。
翔さんの方が美人だ。
翔「にの?起きた?」
俺に気付いた翔さんが新聞を畳んで俺の手を握った。
翔「にの…」
「翔さん…着いててくれたの?」
翔「勿論だよ。身体…辛くない?」
「ん…平気…」
翔「そっか…先生呼んで来るね?」
立ち上がる翔さんを止めようと手を伸ばした。
「いや…行かないで」
翔「にの…?」
「暫く…2人になりたい…」
翔「………どうしたの?」
「………いつ…退院出来るの?」
翔「………1週間は入院しないと駄目だって。にの…雨に打たれて肺炎起こしかけたんだよ?かなり弱ってる。だからまずは体力付けて…そうしないとお腹の…」
そこまで言いかけて翔さんは口を閉じた。
「翔さん…お腹…何?」
翔「あ、いや…先生から話さないと…」
「そこまで言ったんなら言ってよ…翔さん」
そう言うと翔さんは優しく…俺のお腹を撫でる。
翔「にの…おめでただって」
「え…」
「2ヶ月目だって。おめでとう。だから…赤ちゃんの為にも…早く退院しないとね」
「………赤ちゃん…」
笑顔の翔さんを見つめながら俺はまだぺたんこな自分のお腹を撫でる。
赤ちゃん…俺とさとしの…。
俺と…さとし…。
「ふっ、うっ…ぐすっ…」
翔「にの?どうしたの」
「翔さん…翔さんっ…!」
戸惑いながらも俺を抱き締めてくれる翔さんに俺は泣きながら抱き着いた。