第42章 告白
ー翔sideー
「雨凄いねー…また強くなってきた…」
潤「だなぁ…」
暖房の効いたリビングで俺達家族はまったりと休日を過ごしていた。
ソファーでくつろぎながら…太陽が虎鉄と遊んでるのを眺めてる。
「そう言えばさ…智くん最近おかしくない?」
潤「りーだー?」
「にのがこの間話してたんだよね…『無口だ』って」
潤「それ…にのしか分かんないよな…」
「俺もそう思ったんだけどさ…言われたから気にして見てたんだよ。そしたら確かに上の空っていうかさ…話振らない限り喋らないなぁと思って」
潤「あー…確かにそう言われれば…」
「うん…だから心配なんだよな…智くん…」
潤「………今度会った時に聞けばいいよ」
「いやでもさ…」
潤「あんま智くん智くん言うなよ」
「妬いてるの?」
潤「うっせ」
俺を抱き締めて髪の毛に顔を埋めてくる潤が可愛いなんて思った。
「もう…子供の前で…」
潤「キスだけ…」
そう言いながら潤の唇が触れると同時に俺のスマホが音を立てた。
「ん…潤…」
潤は止まらずに角度を変えながらキスしてくる。
「分かったからもう…」
無理矢理潤の胸を押してスマホを取るとディスプレイに『にの』の文字。
「もしもしにの?」
和『………』
「にの?」
和『………しょ…さ…』
「………にの?どうしたの?」
泣いてる…?
「にの?」
異変を感じ取った潤も顔を寄せてスマホの声に耳を傾ける。
和『っっ…もうやだ…どうすればいいの…』
電話口のにのの背後ではザァザァと雨音がしている。
「………にの?外に居るの?何処?」
和『………何で…さとし…』
「にの…!お願い何処が教えて…!」
和『………俺も…潤くんみたいな人と…結婚…したかった…』
潤「にの。潤だけど。今何処?頼むから教えてくれ!」
和『………2人のおうち…あったかそうだね…すごく…温かい…邪魔してごめん…』
ブツッという音と共に…通話が切れた。
「にの!にの…」
潤「翔。俺近所見てくるから」
「潤」
潤「あったかそうって…多分何処かで見てる気がする。俺行って来るから」
「分かった。気を付けてね」
潤「うん」
そして潤は傘を付かんで飛び出して行った。