第41章 Past surging
玄関にさとしの荒い息と衣擦れの音が聞こえる。
下だけ脱がされた後耳に入って来るのはベルトを外す音とチャックを下げる音。
え…もう挿れるの…?
「さ、さと…あぅ!!」
ズンと腰に響く痛み。
一気にさとしが…根本まで沈めてきた。
「あ、あっっ…いっ…」
慣らしてもいない…まだ乾いたその中で無理矢理にさとしが動き始める。
痛みしかない。
でも…耐えなきゃいけない気がする…。
俺は唇を噛み締め、たださとしにしがみついていた。
智「かず…かずっっ…愛してる…お前だけなのにっっ…」
「ぐっ…ん…はぁっ…」
何度も何度も愛を囁かれながら…乱暴な事されてる…。
「さとしっっ…」
そう呼ぶと増々身体を揺さぶられ、俺の中のさとしが大きくなる。
さとしの先走りのお陰か…次第に痛みも薄れていった。
智「あ、イくっっ…!」
「あ…」
さとしの動きが止まり、お腹の中が熱くなった。
智「はぁっ…はぁ…」
繋がったまま…暫く俺達は抱き合っていた。
智「………」
さとしの身体が動き、ゆっくりと俺の中から出て行った。
智「ごめん…おいら…」
「………」
智「何してんだ…ごめんかず…」
ぽろぽろと…さとしの瞳から大粒の涙が流れる。
「さ、さとし…?」
智「っっ…ごめん…」
「止めてよ…泣きたいのはこっちなのに…」
重い身体を起こしながら俺はさとしを抱き締めた。
智「かず…俺…」
「いいから…今はいい」
そう言いながら…俺はただ黙ってさとしの涙が乾くまで背中を撫でてやるしか出来なかった。