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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第41章 Past surging


「………」


亜香里「………」


亜香里は黙って…おいらの言葉を待っている。
必死で言葉を探すけれど…見つからない。
ぎゅっと握った拳は…汗でびっしょりだった。


「………えっと…その…」


亜香里「………」


「………本当…に…おいらの子供…?」


すると…亜香里は大きく頷いた。


「………そっ、か…」


おいらの知ってる亜香里が本当の亜香里なら…嘘を付く様な子ではない。
それにおいらが初めての男だったし…亜香里は他の奴と遊ぶ様な性格でもない。
浮気してても…何も言わずにおいらが戻って来るのを待ってた様な子だ。


「………最後に…寝て…その時の…?避妊…しなかったから…」


亜香里「………多分…」


「………妊娠しにくいって…嘘か…?」


亜香里「嘘じゃない…俺は智に嘘付いた事無いよ」


「じゃあ何でっ…!」


思わず大声が出てしまう。


「ご、ごめん…でも…じゃあ何で…」


亜香里「本当に…奇跡だった。この子が出来たのは…」


「………」


亜香里「智と連絡取れなくなって…諦める決心が付いた頃ね…妊娠が分かったの。散々悩んだ。俺は…まだ16歳で…家族も居ない。子供…育てるなんて。ましてや…智からも連絡無くて…途方に暮れた」


「………」


亜香里「………でも…どうしても諦めきれなくて…。だって…智の子供だから…。俺は愛してたから…智を…知ってるよね…?」


「………うん…ごめん…」


亜香里「だから…産んだ。産んで必死に育てて来た。でも俺…もう限界」


「………え…」


亜香里「もう生活していけなくて…。お願いします。この子…引き取って下さい」


「………!!!」


また言葉を無くすおいらの前で…亜香里は深々と頭を下げたのだった。
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