第41章 Past surging
亜香里と出逢ったのは…11年前。
そしておいらが20歳。亜香里が15歳の頃だった。
あの頃のおいらは…かずへの想いに苛立っていた頃で…他にも色々遊んでた時期だった。
ジャニーズだって言うだけで寄って来る男の子や女の子の中で…亜香里は大人しく、控え目な子だった。
友人の弟の友達って事で…亜香里がほぼ強引に連れて来られたクラブで俺達は出逢った。
後々聞いたら…おいらに一目惚れだったらしい。
その後何度か同じクラブに通って…。
二度目に会ったその日に俺達の関係はスタートした。
しつこい奴が嫌いなおいらに取って亜香里は…最初は都合のいい存在だった。
ワガママを言わない。
尽くしてくれる。
そんな亜香里と頻繁に会っていたおいらは…次第に
「こいつならかずを忘れられるかな」
そう思った事もあった。
でも…結局出来なくて。
次第に亜香里とも会わなくなった。
最後に会った日を…覚えてる。
「妊娠しにくい身体なんだ」
そう言われたおいらは…誘われるままに人生で初めて…生でセックスをした。
しかも…中出し。
それを最後に…おいらは亜香里と会わなくなったんだ。
その亜香里が…今…おいらの目の前に居る。
10歳の女の子を…連れて。
亜香里「………智…」
「………」
何を言って良いか…分からない。
ただおいらは…目の前に居る10歳の少女を…見つめるしか出来なかった。