第7章 想いの交差
ー潤sideー
「あっ、いって…」
頭を金槌で殴られてる…そんな最悪な気分で目が覚めた。
「………最悪…」
頭を押さえながらボンヤリと天井を見つめているとゆっくりと昨日の記憶が断片的に戻って来た。
旬の家で皆と飲んで…久し振りに浴びる程飲んで…記憶が無い。
そうだ…。祝ってもらって嬉しかったのと…同じ視界に翔と真央2人が居るのが予想以上にキツくて…それで余計にエスカレートしたんだった…。
え…でも…潰れた俺…どうやって帰って来たんだ?
翔だけは無理だよな。
「斗…真…」
役作りで絞ってるから飲まなかった斗真。
それに…最後に翔に想いを伝えたいと言ってた…。
………翔に聞くべきか…。
寝転がったまま色々考えていると、良い匂いが鼻をついてきた。
そう言えば…翔が居ない。
「あーいてぇ…」
俺は頭を押さえながら起き上がり、寝室を出た。
翔「あ、潤。おはよ」
エプロンを付けシンクに立った翔が笑顔で振り返る。
「………お…はよ…」
翔のその姿に俺は思わず見とれてしまった。
すっげぇ…可愛い…。
ラフなシャツに短パン。そこから伸びる綺麗な…白い…生足。
「何…してるの?」
翔「今日絶対潤二日酔いだと思ったから昨日優さんにお粥の作り方習ったんだよね。多分…上手くいったと思うんだけど…」
「………料理…作ってくれたの?」
翔「うん。お粥位ならって…いけなかった?」
「………いや…最高…」
翔「じゅっ…!」
ふらふらと俺は翔に近付き抱き締めた。
「………俺凄い幸せ…俺の事考えてくれるこんな可愛くてセクシーな奥さんが居て…」
翔「どうしたの潤…お粥位で…」
「いや…ごめんな昨日。潰れちゃって」
翔「大丈夫だよ。斗真が送ってくれたから」
「そっか…斗真はすぐ帰った?」
翔「………うん。コーヒー飲んで…その後帰ったよ」
「………そっか」
一瞬動揺した瞳を覗かせた翔。
斗真…告白したんだな。
でも翔は…ここに居るんだ。
翔「潤…お粥冷めるよ?」
「そうだな。食べよう。でもその前に…」
翔「じゅ、ん…」
俺は翔の腰に手を回し、その柔らかい唇に自分のを重ねた。