第40章 松本潤VSウサイン・ボルト?
「ん…翔?」
腕の中のぬくもりが無い事に気付き目を覚ますと…翔はそこには居ない。
シーツを触るとそこは冷たくて…。
随分前に抜けたんだと思い、太陽と虎鉄を起こさない様にベッドを抜ける。
寝室を出ると案の定…リビングから明かりが漏れていた。
そっと扉を開くと…ソファーに腰掛けてぼんやりとしている翔の背中が見える。
「翔」
声を掛けて隣に座ると翔が驚いた顔で振り返った。
翔「潤ごめん…起こしちゃった?」
「どうしたのこんな夜中に。3時だよ?」
翔「うん…目が冴えちゃって」
「………オリンピック?」
翔「うん。本当…凄かった」
「だよね…」
キラキラと目を輝かせる翔の顔。
4年前…太陽を産んだ年に挑んだ初めてのオリンピックキャスター。
出産間もない身体には酷だと心配したけれど…翔は完璧に成し遂げた。
そして2年後のバンクーバーオリンピック。
今年のロンドンオリンピック。
最高の仕事を成し遂げた笑顔がそこにある。
熱く語り始める翔の隣で俺もその話に熱中していた。
気付けば俺達はビールを片手にオリンピックの話で弾んでいた。