第40章 松本潤VSウサイン・ボルト?
ー潤sideー
2012年8月のある日。
俺と太陽は成田空港のターミナルに居た。
行き交う人達の中には俺の存在に気付く人達も居て。
子供連れだから声を掛けずにチラ見して行く人達。
気にせずに声を掛けて来る人達様々で。
後者の方には丁寧に対応してプライベートだからと頭を下げた。
腕の中で太陽はじっと出口を見つめている。
飛行機が到着して15分程経った頃…やっとその人影は現れた。
太陽「ママー!」
太陽の顔が満開の笑顔になる。
俺の膝から降り、一目散に駆け出して行く。
その先には…立ち止まり、身を屈めて両手を開く笑顔の翔の姿。
会話は聞こえないけれど…久し振りの再会を喜ぶ俺の愛する2人の姿。
ゆっくりと歩いて2人に追い付いた。
「お帰り」
翔「ただいま潤」
「ロンドンオリンピック…お疲れ様」
翔「ありがとう」
その大役を終え、帰国した翔は笑顔で俺の胸に身体を埋めた。
翔「疲れた…」
仕事では口が割けても言わない言葉を…ぽつりと漏らす。
「うん。帰ろう?翔の好物…沢山作ってるから」
翔「本当?」
「うん。ゆっくりしような」
翔「うん」
そして俺達は身体を寄せ合いながら…我が家へと帰宅した。