第39章 雅紀の決意
ー綾香sideー
まー君の声を振り切る様に私は寝室へと戻った。
雅紀「綾ちゃん!」
直ぐにまー君も追い掛けて来る。
雅紀「綾ちゃん待ってよ!言い方が悪かった。聞いて!」
「もう聞きたくない。眠りたい」
まー君に言われた言葉が信じられなくて…頭に血が上ってしまった。
仕事辞めろだなんて…。
勿論いずれはそうしたい。
まー君がいい仕事を出来る様に支えたい。
でもそのタイミングは…自分で決めたい。
強制されたくない。
なのに…どうして?まー君…。
雅紀「綾ちゃん」
「話したくない」
雅紀「綾ちゃん」
「嫌よ」
雅紀「綾香!」
「っっ!」
驚いて振り返ると…唇にまー君の感触。
「ま…」
佇んでると…ゆっくりとまー君の顔が離れる。
やっぱり…いつ見てもハンサムだな…なんて頭の片隅で思いながら。
雅紀「聞けよ」
少し怒った表情でまー君が呟いた。
「………はい…」
雅紀「誰もそんな事思ってない。ただ心配なんだよ」
「………」
雅紀「聞いたよ。ジムに来てるんだろ?ファンの子達」
「………どうして…」
雅紀「頼むから…俺を頼れよ」
まー君の温かい手が…私の頬を包んだ。
雅紀「仕事は続けて欲しい。でも…またあの時みたいに君を失ったらって思うと…怖いんだよ」
「………まー君…ごめんなさい…」
雅紀「もう二度と…離れたくない…」
「離れない………離さないで…?」
ゆっくりと顔を近付け…まー君の唇に自分のを重ねる。
そのままゆっくりと…私達はベッドに身体を沈めた。