第38章 夫婦のカタチ
綾香「でも潤くん大した事無くて良かったね」
「うん。マネージャーがテンパっちゃったから大怪我かと思ったら…。まぁそのお陰で2人が仲直り出来たんだけどね」
和「………」
「今頃熱い夜を過ごしてんだろーな… 」
綾香「まー君てば」
綾ちゃんが呆れた様に笑った。
和「………」
にのはぼんやりと…俺達の会話に入らず黙々とご飯を食べていた。
「にの」
和「………」
「にーの」
和「え…何…?」
驚いた様ににのが顔を上げた。
「翔ちゃんと松潤。仲直り出来て良かったねって話」
和「え?ああ…うん。良かったね…」
大袈裟に相槌を打ちながら食事を口に運ぶ。
綾香「………」
素直になれない奥さんがここにも1人…。
「にのは…どうするの?」
和「どうって…何が?」
「そろそろにのも限界なんじゃないの?」
和「………そんな事…」
「にのも限界って事はさ…りーだーも限界なんだよきっと」
和「………でもあの人…何も言わないもん。潤くんみたいに話そうともしてくれないし…」
唇を尖らせたにのは…捨てられた子犬の様に悲しそうな瞳をしてる。
「松潤とりーだーは違うでしょ。りーだーの事だから…きっと待ってんだよ?戻って来てくれるの…。にのがそれ分かってあげられなくてどうすんの」
和「っっ…何で相葉さんにお説教されなきゃいけないの!」
ぽろぽろとにのの瞳から大粒の涙が溢れてくる。
「え…え?」
綾香「にのくん…!」
慌てて綾ちゃんがにのの隣に座り抱き締めた。
和「さとしはきっと俺が居なくても平気なんだ…だって何も言って来ないし…さっき病院に行った時だって…俺が無視しても何も…言わないもん!ぐすっ…迎えに来てくれるの待ってんのに…うえぇっ…!さとしの馬鹿ぁっっ!!」
「に、にの…」
綾ちゃんにしがみついてにのは子供の様にワンワン泣いた。
和「さとしなんて…さとしなんてっっ…」
ピンポーン…
にのの言葉を遮る様にインターホンが鳴り響いた。