第37章 最愛のパートナー
「本当に送らなくて大丈夫?」
斗真「うん。もうすぐマネージャーが来るから」
「斗真」
斗真「ん?」
「ありがとう。今日会えて良かった」
斗真「そう?」
「うん。斗真良かったら…また家に遊びに来て?いつでもさ」
斗真「うん。サンキュ」
鍵を捻るとエンジンが鳴る。
斗真「じゃあな太陽。ママの言う事聞くんだぞ?」
太陽「ばいばーい」
斗真が手を振るとチャイルドシートの太陽も笑顔で手を振った。
「じゃあね」
斗真「うん、また」
手を振りながら俺は駐車場を出てモールを後にした。
斗真…ありがとう。
気まずくなってたのが馬鹿みたい。
斗真は変わらずに接してくれた。
斗真との関係はあの日から止まっていたと思っていたけれど…斗真はそんなに弱くなかった。
前に進んでるんだ。
これからもずっと…いい友達でいられる。
暫く車を走らせた後、鞄の中の携帯が音を立てる。
暫く経つと留守電になるけれど…また直ぐに車内に響く着信音。
「え…何だろ…」
俺は路肩に車を止め、鞄から携帯を取り出した。
ディスプレイには…潤のマネージャーの番号。
俺は直ぐにタップした。
「もしもし?」
潤マネ『もしもし櫻井さん!?』
「お疲れ様。どうしたの」
潤マネ『よかったー…つかまって。あの…松本さんが…』
「潤がどうしたの?」
潤『俺違う現場に居たんですけど電話掛かって来て…ボクシングの練習中に…松本さん…怪我したって…』
「怪我!?」
潤マネ『俺今から病院に行きます。櫻井さんは…』
「行くに決まってるだろ!?病院何処!?」
電話を切って俺は直ぐに車を発進させる。
「潤…!」
心臓が高鳴る。
潤…。
潤にもしもの事があったら…!
俺は不安な気持ちを押さえながら病院へと車を走らせた。