第37章 最愛のパートナー
斗真「コーヒーでいい?」
「うん」
斗真「すみませんコーヒーふたつと…ジュース?」
「じゃあこの子供用のりんごジュースを…」
店員「かしこまりました」
オーダーを取って店員さんがカウンターに引っ込む。
午前中のモールの喫茶店はまだ人が閑散としていて比較的過ごし易かった。
俺達は1番奥の席に座っていた。
「斗真…1人だったの?」
斗真「ん?いや友達何人かと…」
「え?それ大丈夫?」
斗真「大丈夫。謝っておいたから」
「そっか。何か…迷惑掛けてごめんね」
斗真「気にしないで」
「ありがとう」
斗真「ううん。それにしても…本当におっきくなってますます潤に似てきたなぁ」
少し気まずい空気を消そうと、斗真が太陽を見つめながら微笑んだ。
「うん。でしょ?」
斗真「ふふっ。よしよし」
太陽はにこにこと笑いながら斗真を見つめていた。
斗真「パパとママに早く仲直り…して欲しいよなぁ?」
「………」
ストローで器用に太陽にジュースを飲ませてくれる。
「………潤とは…喧嘩の事話してないの?」
斗真「忙しかったんだよ。あいつも忙しいしさ。そしたら…一昨日かな。旬が俺の隣のスタジオで撮影してて遊びに来てくれてさ。その時にチラッと聞いて」
「………そうなんだ」
斗真「………潤が…酔っぱらって暴言吐いたって」
「酔っぱらってたからなんだけど…『翔はセックスすればいい』って言われて…」
斗真「マジか。あの馬鹿…」
「でも…俺もカッとなって家飛び出して…。本心じゃないって分かってるのに…。それで色々考えてたら…謝りにくくなっちゃって…」
斗真「………そっか」
「………うん」
斗真「翔くん」
「何?」
斗真「じゃあ潤と別れて俺と結婚しよう?」
「………は?」
にっこりと微笑む斗真に俺の表情は凍りついてしまった…。