第37章 最愛のパートナー
男2「ほら行こうぜ?来いよ」
「離して下さい!」
男3「調子こくなよ芸能人が!」
腕にギリギリと力が入る。
徐々に人だかりが増えて行くけど…誰も助けてくれる人は居ない。
来るんじゃなかった…。潤助けて…!
するとふいに俺達の間に人が立つ。
男1「何だよお前…」
男3「あ…こいつ…!」
「………斗真…!」
目の前に立って俺の腕を引くのは生田斗真の姿だった。
斗真「あんましつこいと警察呼ぶよ?芸能人だってプライバシーあるんだからその辺で勘弁してくれよ」
男3「………くそ…」
穏やかだけど…鋭い目付きで男の子達を見る斗真に3人は怯んでしまう。
男1「い、行こうぜ」
そそくさとその場を後にしてしまった。
斗真「翔くん大丈夫?」
「あ…うん…ありがと…」
斗真「おっと…」
力が抜けてよろめく俺を斗真は支えてくれた。
「あ、ごめ…」
顔を上げると…目の前にある端正な斗真の顔。
斗真「平気?」
「うん…ありがと」
一瞬だけ甦る…斗真の唇の記憶。
俺はその記憶を振り払いながら斗真から離れた。
あの日から俺達はほとんど顔を合わせる事は無かったけれど…潤とは相変わらず仲良くて。
小栗くん達とよく飲みに行った時の話は聞いていたから久し振りっていう感じも無かったけれど…。
斗真「珍しいね。潤が居ないなんて」
「あー…うん。潤忙しくて…」
斗真「………翔くん」
「え、何?」
斗真「旬からチラッと聞いてんだ。喧嘩したらしいって」
「………」
斗真「俺で良かったら話聞くから。お茶でも飲まない?」
「………でも…」
斗真「行こう?」
「………うん」
そしてそのまま俺達はモールの中を歩き出した。