• テキストサイズ

君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第36章 翔の家出


ー翔sideー


その日の収録は…いつもより淡々と進んでいた。


いつもの笑顔で番組を進行しまとめる。
皆も笑顔で番組を盛り上げた。
カメラに映る俺達はいつものグループ。


スタッフも観覧のお客さんも気付かないだろう。
でも俺達には分かる。
この俺達の殺伐とした空気が。


『待ってる』


潤はそう言ってくれた。
カメラが回ってればいつもと変わらない『嵐の松本潤』


にのと智くんも…完璧に仲良しを演じてたけど…。










スタッフ「お疲れ様でーす」


収録が終わると直ぐにバラシが入り、俺達も楽屋へと戻った。





潤「翔。この後はZEROの打ち合わせだよな」


「あ…うん…」


潤「頑張れよ」


ぽんぽんと頭を撫でられた後、潤は荷物を抱えた。


潤「じゃあお疲れ」


「………お疲れ様…」


楽屋を出て行く潤の背中をジッと見つめた。


………どうしよう。
あんなに怒ってたのに。
暫く顔も見たくないなんて言って…。
引き下がられると…恋しくなるなんて…。


智「翔くん」


智くんに声を掛けられ振り返る。


智「大丈夫?」


「え…あ…何が?」


智「松潤の事恋しそうな目で見てたから」


「そ、そんな事…」


智「松潤すげー反省してるしずっと泣いてたんだよ。子供みたいにぐずぐず」


「………」


智「確かに言っちゃいけない事言ったけど…翔くんなら分かるだろ?本心なんかじゃないってさ」


「………」


智「少しずつ歩み寄ってみたら?」


「………」


和「さとし。翔さん困らせちゃ駄目でしょ」


にのが俺と智くんの間に入る。


智「分かってるよ」


和「じゃあ何で…」


智「お疲れさん」


和「んっっ!」


智くんがにのにちゅっとキスして離れた。


和「ば…」


智「待ってるのはおいらもだから」


そう言って智くんも楽屋を出て行った。
/ 1278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp