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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第36章 翔の家出


ー潤sideー


太陽「パパっ!!」


玄関の扉が開くと相葉くんに抱っこされた太陽が俺を見て手を伸ばす。


「太陽!もう元気になったのか?」


太陽「げんきー」


俺の腕の中で太陽は嬉しそうにはしゃいだ。
こんなに元気な太陽の姿…何日振りだろう。
翔が付きっきりで看病してくれたからだよな…。
本当に良かった。


雅紀「いらっしゃい」


相葉くんがぎこちない微笑みを浮かべる。


「………お邪魔します」


雅紀「ごめんね、嘘付いて」


「いいよ。そんな事より…翔は…」


雅紀「………中にいるよ。どうぞ」


「ありがとう」


中に上がり、リビングに入ると翔がうつ向いてソファーに座っていた。


「………翔?」


翔「………」


雅紀「2人で話して?俺達向こうに行ってるから」


「ありがとう」


翔「相葉くん行かないでよ…!」


翔が顔を上げ、すがる様に相葉くんを見つめた。


雅紀「2人でちゃんと話さないと駄目だよ翔ちゃん」


翔「………」


綾香「太陽くんおいで?パパとママお話だって。向こうで遊ぼ?」


太陽「あーちゃ!」


素直に綾香ちゃんに抱っこされ、3人はリビングを出て行った。


「………」


翔「………」


翔はまたうつ向いたまま。
俺がここに来てから一度も目を合わせてくれない。
余程怒ってるんだろうな。当たり前だけど…。


「翔頼む。こっち向いてくれ」


翔「………」


「翔」


翔「………嫌…」


「頼むよ」


翔の隣に座り、手を握る。


ピクッと動いたけれど振り払われる事は無かった。


「こっち…向いて。俺を見て?」


翔「………」


やがてゆっくりと、翔が俺の方を見つめた。
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