第36章 翔の家出
『知り合いの家に居るから探さなくていい。仕事で会った時に話するから』
仕事終わり、携帯を開くと翔から一通のメールが入っていた。
直ぐに電話を掛けたけど…相変わらず着信拒否に設定されてるみたいだ。
「はぁ…」
潤マネ「まだ翔さん帰られてないんですか?」
「知り合いの家に居るから探すなってさ…何処だよ…」
潤マネ「落ち着いたら戻って来られますよ」
「だと良いんだけど…。家帰りたくないなぁ…1人は辛いよ…」
潤マネ「何処か寄られます?」
「………ここからだと…りーだーん家と相葉くん家どっちが近い?」
潤マネ「そうですねぇ…あまり変わらないと思いますけど相葉さん家でしょうか」
「………じゃあそこで降ろしてもらっていい?誰かに話聞いてもらいたい…」
潤マネ「分かりました」
「ありがとう」
マネージャーに相葉くんの家で降ろしてもらった。
俺の気持ちを…誰かに聞いてもらいたい。
メンバーなら…俺の気持ち分かってくれるよな…。
迷惑かもしれないけど…許してくれるよな。
車を降り、エントランスのボタンを押す。
暫くすると…よく聞く…俺の大好きな優しい声が聞こえた。
翔『はーい』
「………!!」
翔『もしもーし?』
「………翔?」
翔『!!!』
ブツッという音と共に通話が切れる。
「ここに居たのか…!」
俺は携帯を取り出し、相葉くんに電話をする。
雅紀『えーあーもしもし?』
慌てた様子の相葉くんの声が聞こえる。
「………入れて」
雅紀『ま、松潤どうしたのかな?』
焦ったのか、相葉くんの声は裏返っていた。
「入れて。入れてくれるまでここ動かない。話してくれるまで諦めないから。翔に伝えて」
雅紀『わ、分かった…開けるよ…』
そしてようやくエントランスが開く。
俺は走って中へと入って行った。