第36章 翔の家出
ー翔sideー
雅紀「ふぅ。これでいい?翔ちゃん」
携帯をテーブルに置いて相葉くんが俺を見る。
「うん。ごめん…ありがと」
雅紀「でも珍しいね。2人がそこまでの喧嘩するなんて」
「家出するのは…初めて…」
雅紀「だよね…。で、そんなに酔ってたの?松潤は」
「うん」
雅紀「そっかぁ…」
「本当にごめんね。夜中に押し掛けて」
雅紀「いいよぉ気にしないで。ぐっすり眠れたみたいだし…りーだーんちじゃないのが驚いたけどね」
「もう大丈夫だって言われたけど…とも君に移しちゃうといけないし…綾ちゃんに女性の意見も聞きたかったから」
雅紀「そっか」
綾香「太陽くんまだぐっすりだったよ」
丁度良いタイミングで綾ちゃんがリビングに戻って来る。
綾香「もう太陽くんも虎鉄くんも可愛くて。一緒にくっついて寝てるから写メ沢山撮っちゃった♪」
嬉しそうに話しながら綾ちゃんが相葉くんの隣に座る。
雅紀「虎鉄噛まなかった?」
綾香「平気だったよ?」
雅紀「マジかー。何で俺だけ?」
虎鉄に引っ掛かれた腕を擦りながら相葉くんが呟く。
綾香「じゃれてただけだし仕方ないよ。それにまーくん動物に嫌われるんだから…ふふっ」
「ぷっ、確かに…」
雅紀「もーぉ…」
少しの間、3人で笑い合う事が出来た。
綾香「とりあえず…翔くんが良ければ好きなだけいて?私達の事は気にしなくていいから」
雅紀「同じく」
翔「ありがとう」
雅紀「でも…ちゃんと仲直りしなよ?」
「………今は…考えられない。顔も見たくないんだ」
雅紀「翔ちゃん…」
「本当ごめん。どうしても今は…無理…」
雅紀「うーん…」
困った様に相葉くんが頭を掻く。
ごめん相葉くん。
でも…まだ潤を許したくない。
一緒に居たくないんだ…。