第35章 Big Fight part2
ー潤sideー
「じゃあそれでいけますか?」
スタッフ「分かりました。オッケーです」
「じゃあ宜しくお願いします」
スタッフ「お願いします」
ようやくまとまったステージ構成の打ち合わせ。
俺はスタッフの人達と固い握手を交わして頭を下げた。
「ワガママ言ってすみません」
スタッフ「いや。妥協をしない、考えがブレない、そんな松本さんだからこそ…私達も協力出来たんです。一段落しましたけど…まだまだこれからです。一緒に頑張りましょう」
「はい!」
良かった…これで今年もいいライブが出来るな…。
ふと時計を見るともうすぐ20時。
今日はこれで仕事は終わり。
今日は早く帰れるかな…。
数日前の翔との喧嘩を思い出す。
あれからまともに会話をしてなくて…ぎこちない状態が続いてる。
仕事が上手くいかない事より…翔と上手くいかない事の方が…やっぱり俺にはしんどかった。
帰ったら…謝ろう。
酷い事…言った。
不安にさせていた太陽にも…謝りたい。
立ち上がり荷物をまとめ始めた時だった。
スタッフ「松本さん」
「はい」
スタッフ「この後…お時間ありますか?」
「え?」
スタッフ「何人かで飲みに行くんですけど…良かったら松本さんも」
「あ…」
どうしよう…。
太陽の事心配だし…翔と早く仲直りしたい。
戸惑っていると、更にスタッフが重ねてくる。
スタッフ「俺達もなかなか時間合わせ辛いし…これからまた忙しくなるんでその前にと思って…」
「………そう、ですね…」
まだ時間は早い。
ちょっとだけ飲んで…早めに抜ければ…。
「じゃあ1杯だけ」
スタッフ「良かった。最近行きつけの店があるんですよ」
「へぇーそうなんですか」
スタッフと話しながら俺は楽屋を出た。
そして俺のこの行動が…翔の堪忍袋の尾が切れるきっかけになってしまった…。