第35章 Big Fight part2
医者「もう熱も下がりましたし…顔色もいい。ウイルスももういないでしょう。ほぼ完治ですね」
「良かったぁ…ありがとうございます」
医者「大事を取って2・3日は安静にしてればもう大丈夫ですよ」
腕の中ですっかり元気になった太陽を抱えながら俺は先生に頭を下げた。
「太陽良かったね」
医者「頑張ったな太陽くん」
太陽「うん!」
医者「ははっ。良い子だ」
先生に頭を撫でられ太陽は嬉しそうに微笑む。
俺は心配してくれた皆にメールを送りながら太陽と病院を後にした。
太陽「ぼくもうおっきしてもへーき?」
「そうだね。でもまだ走ったりとかしちゃ駄目だよ。お熱また出ると嫌でしょ?」
太陽「やだぁ…」
「じゃあママと一緒にゆっくりしてようね」
太陽「あい!」
車を運転しながら太陽に微笑みかける。
すっかり元気になった息子を見つめながらホッとする。
一時はどうなる事かと思ったけど…。
本当に良かった。
ふと、潤の顔が頭に過る。
数日前の喧嘩以来…潤とはまともに会話をしていない。
『ごめん』の一言も…言えてはいなかった。
あまり目を合わせてくれない。
家でもパソコンとにらめっこしたり…誰かと電話で話してたり。
喧嘩してからますますそれが増えていた。
睡眠も隣のゲストルームで寝てるし…。
俺が…言い過ぎたんだって分かってる。
太陽にいっぱいいっぱいで…潤のストレスを分かってあげられなかった。
今日謝ろう。
太陽が良くなったのを知ったら潤も喜ぶ。
それがきっかけで仲直り出来たら…。
………潤の腕の中が…恋しいんだ。
きっと仲直り出来る。
俺はそう信じて疑わなかった。